カテゴリ:メキシコ雑学( 4 )

道案内その1に続き、メキシコの通りの名にちなんだ看板を紹介。
今回は『小山の上に何か乗っている』シリーズをご紹介します。
かわいらしい絵ですがこれは『絵文字』で、この絵が地名をあらわしているのです。
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さて一枚目、水が溢れ出す小山の上にバッタが乗っています。
これは、chapultepec(チャップルテペック)をあらわしています。
チャプルテペックとは見たままの通り『バッタの丘』という意味です。
ナワトル語(アステカ人が使っていた言葉)ではchapul(=chapullin バッタ)+ tepe(=tepetl 丘)+c(=co 場所)という構成になっています。
チャプルテペックはメキシコシティ中心部にある広大な敷地を持つ公園で、観光地として知られているチャプルテペック城や動物園、遊園地、博物館や美術館、コンサートホール、ボート遊びのできる湖、そして大統領官邸まであります。
アステカ時代には、ここは豊かな水の湧き出る森で、アステカの都テトチティトランの飲み水はここから供給されていたそうです。

続いてはこちら。
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今度は小山の上に魚が乗っています。
この絵文字はmichoacan(ミチョアカン)をあらわしています。
ミチョアカン州は温暖湿潤な気候で、さまざまな農作物のとれる緑豊かなところです。
カナダから越冬のためにはるばる飛んでくるモナルカ蝶の聖地もありますし、湖がたくさんあって魚もとれます。
ミチョアカンは『魚の豊富な地』という意味で、mich(=michin 魚)+oa(=hua 持つ)+can(=can 場所)という言葉の組み合わせになっています。
ミチョアカン州といえば魚、というイメージはあまりないのですが、パツクアロ湖では『マリポサ漁』と呼ばれる蝶のような形の網を使った漁が有名です。
もっとも今では、観光客向けのショーのようになってしまいましたが。

最後に紹介するのはこちら。
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小山の上に木が一本?
これはxoco(ショコ?)という地名で、ナワトル語のxocotl(=緑の、または熟していない果実)からきているそうです。
xocotlについては実はよくわからなくて、ざっとネット上で検索してみたところ、jocote(ホコテ)という熱帯の果実の名前はナワトル語のxocotlに由来するという記述やxocotlは火と星を司るアステカの神だという記述もあります。
この看板ではxocotl=果実ということのようです。

想像膨らむ道案内の看板。
まだまだ続きます。
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アメリカ大陸には様々な野菜や果物があります。
トマトやジャガイモ、カボチャ、トウモロコシ、アボガド、カカオ、七面鳥などはアメリカ大陸原産。
『新大陸』に到着したヨーロッパ人が「これはウマイ」と持ち帰って、世界中に広がっていったのです。
さて、今日紹介するchayote(チャヨーテ)もアメリカ大陸原産。
ウリ科の野菜で、日本名では隼人瓜(はやとうり)というそうです。
広辞苑情報では、「日本には1917年(大正6)渡来」らしいので、もしかすると日本でも売られているのかもしれませんね。
ごくごく一般的に売られているのは、表面がつるんとしたもの。
皮をむかずそのまま食べられます。
上の写真は、「ほっておいても、勝手に実がなるのよ」とおすそ分けしてもらった、トゲトゲのあるチャヨーテ。
初めて見ました。
厚手のふきんで押さえながら慎重に皮をむくと、写真の左側のような黄緑色の中身が。
包丁を入れるとねばねばとした液が溢れてくるので、すべらないように注意します。
ひだの隙間にもトゲ!
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これを真っ二つに割ると、中には柔らかい白い種が1つ入っています。
さて食べ方ですが、スープやお味噌汁に入れても良し、煮物にしても良し、茹でてマヨネーズで食べても良し。
メキシコでは、スープの具に入っていたり、温野菜として肉料理の付け合せに出てくることが多いです。
今日は趣をかえて、にんにくとベーコンで炒めてみました。
個人的には、炒め物よりも汁気の多いスープなどのほうが合うと思います。
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メキシコシティはめっきり涼しくなりました。
太陽が出ている間は半そででもちょうどいいくらいなのに、朝晩は冷えます。
温度差が大きいので体調を崩す人もいます。
私もそんな一人で、のどの調子が悪くせきがとまりません。
病院に行って処方してもらった薬も劇的な効果がなく、どうしたものかと思っていると、同僚のメキシコ人がいいました。
「そんな時にはテキーラを飲むといいんだよ。なーに、少なくとも酔っ払って痛みも忘れちまえるんだから。」
風邪にはテキーラ、これはメキシコでは通説です。
アルコール度数35%を超えるテキーラで、のどに巣くう奴らを殺菌!
体もあったまります。
そんなわけで、普段テキーラなんて飲まない私が二日にわたってテキーラを飲みました。
いつもなら、グレープフルーツ味の炭酸飲料で割った「パローマ」と呼ばれる飲み方をするのですが、今回は「消毒」が目的なのでストレートで!
テキーラの、あの独特な植物の風味(私にはそう思える)が苦手だったのですが、慣れるとオイシイです。
しかしアルコール35度を甘くみてはいけませんでした。
ショットグラス3杯ほど飲んだところで急に酔いが回ってしまい、ぐるぐる回るテキーラの海にもまれ、7時間ほどソファに沈んでしまいました。
そして二日酔い・・。
お酒が強くない人は、ゆっくりちびちびやらないとダメですね。
肝心ののどですが、大分良くなりました。
みなさんもお試しあれ。

参考 私が飲んだテキーラ
HERRADURA社 HERRADURA REPOSADO
CENTENARIO社 CENTENARIO BRANCO
CENTENNARIO社 AZUL REPOSADO (これが一番飲みやすかったかな)
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メキシコの通りの名前は、国や町の名前、歴史上の人物の名前、川や湖の名前シリーズなど多岐にわたっています。
「TOKYO」や「FUJIYAMA」なんていうのもあるんですよ!

さて、そんなメキシコの通りを歩いていると、通りの名を絵文字で表した標識に出合います。
先スペイン期、メキシコにはアルファベットはありませんでした。
大切な記録をどのように残したかというと、絵文字を用いていました。
例えば、アステカの都「TENOCHTITLAN(テノチティトラン)」はこんな風に。
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標識には丁寧に、絵文字の読み方も書かれています。
テノチティトランとは「岩の上にウチワサボテンがたくさん生えているところ」という意味です。
これはナワトル語というアステカ人が使っていた言葉で、TE(=TETL 石、岩)+NOCHTI(=NOCHTLI ウチワサボテン)+TLAN(たくさんある)という構成になっています。
メキシコに詳しい方なら、この図柄どこかで見たような・・と思われるかもしれません。
このサボテンの上に、蛇をくわえた鷲をとまらせれば、メキシコの国旗に描かれているモチーフになります。
アステカの人々は、このような地に都を築けというお告げによって、北方からやってきたようです。

さて、お次はこちら。
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CUERNAVACA(クエルナバカ)という町の名前です。
ナワトル語では「CUAUHNAHUAC(クワウナワック)」と呼ばれていました。
これは、「木々に囲まれた地」という意味で、CUAUITL(木、林)とNAHUAC(囲まれた)という二つの言葉の組み合わせです。
さて、この絵を見たアステカ人はもしかすると「木が一本生えた地」だと勘違いするかもしれません。
木が一本生えているだけの絵で、「囲まれた」という意味までを表現するにはどうしたらよいか、それにはちょっとした工夫があります。
それが、木が「口をあけて話している」姿。
ナワトル語にはNAHUATIAという言葉があって、これは「命令する」という意味です。
NAHUATIA(命令する)という似た音の言葉を描くことで、NAHUAC(囲まれた)が連想できるようにしてあるのです。
絵文字は、私たちから見ればかわいらしく時にユーモラスですが、実は色々な情報が含まれています。
未だに解明されていない表現もたくさんあります。

さて、最後はIZTACCIHUATL(イスタシワトル)。
これは、メキシコ州とプエブラ州の境にある山の名前で、「乙女の寝姿」をしています。
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(これは絵文字ではなく、山の姿を描いたものです)
IZTACは白、CIHUATLは女性という意味で、万年雪をたたえた美しい山の姿は「白い女性」という名前が合います。
左側が頭で、女性が仰向けに横たわっている姿なのですが、見えますでしょうか?
私の勤めるオフィスはビルの高層階にあり、このイスタシワトル山とともにポポカテペトル山も良く見えます。
イスタシワトルは女性、ポポカテペトルは男性で、二人の悲恋の神話があるようです。
ポポという愛称で呼ばれるポポカテペトルは「煙を吐く山」という意味で、私は一度だけ本当に煙を吐いているのを見たことがあります!

こんな道案内の標識はどの通りにでもあるわけではなく、見つけたときの感動はひとしお。
今回は植物と山に関する絵で紹介してみました。
次回は「小山の上に何かが乗っている」シリーズを紹介します。
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